足るを知るを知る

40オーバーのおっさんの足るを知るための記録。身の丈にあったファッション、音楽、カルチャーを紹介してくブログです。

僕がお勧めする3冊の猟奇殺人モノ

いきなり物騒、且つ不謹慎なタイトルでどうもすみません。

読書は好きですが、小説はほぼ読みません。得意ジャンルは『殺人事件モノ』、『赤軍派関連』、『その他実録モノ』、かなり偏りがあります。なんでこんなジャンルを読んでいるのか。ひとつは、究極の『事実は小説より奇なり』を体現するため

生まれた時は人間皆天使。それが年を取るにつれいろいろな価値観を持っていくことによって、

信じられないような事件を起こす。そして人はそういったモノに目をそむけながらチラミしたがる。そんな思いもあるかもしれません。はい、僕最低な人間です。でもビジネス書や自己啓発本と同じで、こういった本からも学ぶモノってあると思うんですよ(たぶん)

そんなわけで僕が今まで読んだ猟奇殺人系の本の中で『これは読んでおけ』というのを紹介します。読んだからって人生が豊かになる類の本ではありませんのであしからず。

愛犬家連続殺人事件

九八年八月二十八日、俺は満期三年の実刑を終え、栃木の黒羽刑務所を出所した。逮捕された時の罪名は「死体損壊・遺棄」。そう、俺があの『埼玉愛犬家連続殺人事件』で主犯・関根らとともに人肉をサイコロのようにカットし、人骨を粉になるまで焼き尽くした山崎だ。俺は知っている。まだ世間には知らされていない関根の凶暴な素顔を。その恐るべきやり口を。そして、未だ解決していない数数の行方不明事件の真相を…。たぐいまれなる凶悪殺人事件でありながら、阪神大震災・オウム事件の陰で注目度の低かった『埼玉愛犬家連続殺人事件』。その共犯者が自ら綴る驚愕の書。

もうこの本、5回くらい読んでいます。主犯の関根元に言いくるめられ、側近として殺人に加担させられた著者が描く、衝撃の書になります。 もうねえ。なんというかこれあまりにも文章がうますぎて、ゴーストライターですね。描写が客観的過ぎで、言い回しもうまい。主犯の関根元のキャラクター描写も強烈すぎて。

「人間の死は、生まれた時から決まっていると思っている奴もいるが、違う。 それはこの関根元が決めるんだ。俺が今日死ぬと言えば、そいつは死ぬ。 明日だといえば、明日死ぬ。間違いなく そうなる。 何しろ、俺は神の伝令を受けて動いているんだ」

「ボディ(死体)を透明にすれば完全犯罪」

「殺しのオリンピックがあれば、俺は金メダル間違いなしだ。殺しのオリンピックは本物のオリンピックよりずっと面白い」

どうですか。こんなこと言っちゃう人間。恐ろしすぎて逆に吹いてしまいます。。

殺人の描写も残虐すぎてとてもじゃないですが子供に見せられません。多感な時期にこんなもの読んだら絶対にいけません。しかしどうしたらこんなことを嘯く人間になってしまったのか、そして普通の人間だった著者が、いかに関根元の恐怖に支配され悪行に加担したのか。人間とは恐ろしい生き物です。

というわけで、ゴーストライターが書いたことを差し引いても、共犯者の視点で書かれたこういった書は貴重なのでよかったらご一読を。

 家族喰い――尼崎連続変死事件の真相

主犯・角田美代子の“家族乗っ取り"はなぜ起きたのか。

2012年12月12日、兵庫県警本部の留置施設内で、ひとりの女が自殺した。 女の名は角田美代子。尼崎連続変死事件の主犯である。美代子と同居する集団、いわゆる“角田ファミリー"が逮捕され、これまでの非道な犯行が次々と明らかになってきていた矢先のことだった。 主犯の自殺によって記憶の彼方に葬り去られようとしているこの事件の裏側には何があるのか? 尼崎を中心とした徹底取材をもとに、驚愕の真相を白日の下に曝す。 百田尚樹氏をして「ホラー小説も逃げ出すくらいに気味の悪い本だった! 」と言わしめた問題作!

こちらはまだ記憶にあたらしい、あの『角田美代子』事件発覚後、一番早く刊行されたルポタージュになります。僕も発覚当時、様々なニュースを見ていましたが、登場人物が多くてそれぞれの相関図もよくわからない。そんな疑問を持った中での書籍化。すぐ買いました。

巻頭に複数の家族の家系図と角田ファミリーを中心とした相関図が載っています。この本はこちらの図を確認しながら読み進めました(そうしないと訳分からなくなるくらい複雑です)

内容は角田美代子の生い立ちから(子供の頃からかなりのタマだったようです)角田ファミリーを築き上げ、全く無関係の家族に次々と因縁をつけ毒牙にかけていく様子が描かれています。事件の全容把握には、これと別ででている一橋 文哉著の『モンスター』を読んでおけばだいたい掴めるでしょう。『モンスター』のほうは角田美代子の生い立ちがよくわかります。

というわけで、百田尚樹氏をして『ホラー小説もびっくり』な書籍となっております。 この本を読んでこういった人に巻き込まれないよう注意しましょう。

死体しか愛せなかった男―ジェフリー・ダーマー

17人もの男性を自室に連れ込み、殺害。からわらに寄り添い、犯し、死体を切り刻み、頭蓋骨を抱いて寝た…より親密になるために。1991年アメリカ・ミルウォキーでひとりの青年が逮捕された。彼の名は、ジェフリー・ダーマー。端正な美青年の心の内は、その外見とは裏腹に完全に崩壊していた。

こちらはもう絶版のようです。 『ミルウォーキーの食人鬼』との異名を持つジェフリー・ダーマーの事件を書いたものです。 彼の生い立ちから両親をはじめとする家族との関係などかなり詳細に書かれています。研究員(ジェフリーが生まれる前は学生だった)父ライオネルダーマーと母ジェフリーとの間に生まれたジェフリーは、内向的な性格で、両親の不仲なども影響したのか次第に恐ろしく異常な殺人に手を染めてい

家庭の不和などがあったとはいえなぜこのようなモンスターのような殺人者に育ってしまったのか。その過程が良く分かる一冊になっています。そのためかなりのボリュームがあるので途中で気分が悪くならないように気ををつけてください。もう本自体の評価というよりジェフリーダーマーの異常性がわかる貴重な一冊になります。

ちなみにジェフリーの父、ライオネルが著した『息子ジェフリー・ダーマーとの日々』も併せて読むことをお勧めします。

まとめ

まだまだ世の中にはひどい事件、それを記録した本がたくさんあります。 僕の中でもまだまだ紹介したい本はたくさんあります。

でも今回は、3冊紹介するのがやっとでした。本を紹介するのってなかなか難しいですね。

あと一点、うちには息子二人がいるのですが、そろそろこの手の本は隠しておかないといけないと思います。多感な時期にこんなの読まれたらたまらんですからね。

皆さんも読んだら隠しましょう