足るを知るを知る

40オーバーのおっさんの足るを知るための記録。身の丈にあったファッション、音楽、カルチャーを紹介してくブログです。

本橋信宏の『依存したがる人々』

この人の本のことはいつか書いてみたかったので、稚拙ながら書きます。

本橋信宏とは

本橋 信宏(もとはし のぶひろ、1956年4月4日 - )は、日本の著作家・評論家。政治思想からサブカルチャーまで幅広い分野で文筆活動を行う。 反体制運動やアダルトビデオ、裏本に関する著作や評論で知られる。

wikipediaより引用

以前にも書きましたが、僕はこの方の社会の裏面(だけではないが)を題材に、憂いに満ちた独特の哀愁を漂わせた文章が好きです。

kinpun.hatenablog.com

村西とおる氏との濃密な蜜月を赤裸々に描いた「裏本時代」「AV時代」は僕にとって最高のエンターテイメントであり、 80年代~90年代の社会の裏側を垣間見ることのできる貴重な貴重な実録本として何度も読み返しました。

村西とおる氏は、その強烈なキャラクター、独特の喋り口調と『ナイスですねえ』等数々の、名言(最近はお待たせしました。お待たせしすぎたのかもしれません、がツボ)により、色モノな人というのが、世間のイメージであると思いますが、本橋氏のこの二冊を読むと この人の人生は、普通の人であれば決して味合うことのない事の連続で、僕は『絶対に真似できない』と思いつつ心の中で崇拝していた。 かつて、AV事業で巨万の富を得ながら、50億の借金を背負う。それでも異彩を放ちながらメディアにでるその不屈の精神。 この人の人生、絶対映画化すべきだと思っていた。 ら映画化されていた。ぜひ見に行きたい

https://nice-desune.com/

氏の本との出会い

本橋信宏氏の本との出会いは、僕にいろんな意味で影響を与えた兄が持っていた、氏の『素敵な教祖たち サブカルチャー列伝』という、その筋のとっても濃いーカリスマをインタビューしてまとめた本が最初です。

そのあとがきに載っていたのが、二人のねーちゃんをはべらかし悶絶する氏の写真。びっくりしました。 この人は何者だと関連書を調べまくりました。

調べてみると、学生時代TV『ラブアタック』の企画で伊藤輝夫氏(後のテリー伊藤)と知り合い 学生卒業後、フリーライター業を開始。その後村西とおると知り合いになりさまざまな渦に巻き込まれる。。 まあ薄っぺらい説明だが、こんな感じのことまでわかった。

依存したがる人々

『裏本時代』、『AV時代』を読んだ僕は、氏の書籍を手当たりしだい読んだ。 そんな中でとても印象に残ったのが『依存したがる人々』

はじまりは、彼女に口移しされた睡眠薬だった。覚醒剤中毒に陥り、幻覚に襲われた著者は、ドラッグと訣別するも、今度は「不安神経ssh症」に悩まされる。やがて納得のいく精神科医と出会い、森田療法により恢復する―。そんな著者が出会った依存症の人々。アルコールに溺れる同僚。だめな男に貢ぐ女性。自分の顔を刃物で傷つける青年。当事者たちの見つけた出口は。

amazon.co.jpより引用

依存したがる人々の内容

第一章は、仕事仲間であった編集者が重度のアルコール中毒に陥り恢復(実際にはアルコール中毒だは完全には治らないとのこと) し、その後自分が睡眠薬に依存していく様が生々しく記録されている。

『明日飲んでもいい。今日は飲まない』この言葉はアルコール依存症患者にとって重要な考え方であるのだが、人間生きてりゃ誰だっていろんなモノに依存している。この言葉は重い言葉だと思った。

第二章は、『殴られても好きな人』いわゆるダメ男にひかれてしまう女性の心理が書いてある。 ダメ男は女性に依存し、女性はダメ男に尽くすことで自分の存在価値を満たす、いわゆる共依存の話だ。これも男女間の問題だけではなく、結構な人が陥ってしまう問題ではないだろうか。

第三章はいわゆる『ドラッグ』の禁断症状のこと生々しく描いている。これはかなり強烈な題材であるが『やってみたらどうなるか』 地獄のような苦しみが待っていることを赤裸々に話すことでドラッグの危険さを警鐘しています。

第四章は氏が発症した『不安神経症』と、それを治療するため、日本発祥の療法『森田療法』について書いたものです。 僕自身も、将来に対し極度な不安があり、それを考えただけで吐き気がするような症状がたまにでてくるため、 この書で『森田療法』を知り自分も関連書籍を読んだ。不安や恐怖から逃げるのではなくあるがままを受け入れるという教えは僕の中で かなりの救いになった。本橋氏が紹介しなければ、一生知らなかったであろう考えだろう。

とまだ一章残っているのだが、ともかく『依存』ということを、自分の体験も踏まえてかなり生々しく描写しており 初めて読んだ30代前後の自分にはすごく衝撃でした。

でもこの本絶版になったんですね。もう一度読もうとしましたが、見つからず結局古書を再度購入しましいた。

かなり稚拙な文章で読みにくくて恐縮ですが、僕はこの氏の本をついつい手に取ってしまいます。